2017年10月12日木曜日

小沼寛・加藤文子展

小沼寛(陶)・加藤文子(植物)
生活を愉しむ あうりんこ星の世界

新潟市中央区上大川前通
モノ,コト,スペース Kayano にて10月15日まで開催中






少し前に伺った「小さな美術館 季」さんで、
「とても素敵だから!」とお勧めされた、那須在住のご夫婦の二人展

陶芸家の小沼寛さんと、盆栽家の加藤文子さん
お話しさせてもらったお二人と作品が、それぞれにとてーーも素敵で、
後日、加藤さんによる「植物の話」の時間にもお邪魔してきました




穏やかな語り口とやさしいまなざしの中にも、
職人的な厳しさや、営みへの実直さが感じられます

植物との関わりの中で、これから心掛けたいことを
いくつも教えていただきました

以下、お断りして撮影させていただきました




小沼寛さんによる主に磁器の器やオブジェは、手びねりで、たいへん薄く、
同じもののない、フォルム豊かなものがたくさんありました

花器めいたものもありますが、作品には
用途を限定するような名前はあまり付けないのだとか

陶芸を志すまでのことや、今に至るまでのことを
とつとつと話して下さった小沼さんは
どことなく、此処ではない、何処かのひとのようで…

後日、HPで「太陽の星」のお方、あうりんこ星人 と知って
よくはわからないけれど、なんだか納得(*´∀`*)

この方の手から生まれたものが暮らしの中にあったら
いつもうれしいに違いない、と思いました




加藤文子さんの盆栽の鉢は、そんな小沼さんによる主に陶器で、
内側に釉薬のかかってない植木鉢仕様のもの



この盆栽たちが、たまらなく可愛いらしいのですが
可愛い、などと言っては恐れ多い
このヒメドクサで8年


コフジ 13年!


アッツ草・弟切草 30年!!


何に最も感動したかといえば、
加藤さんの盆栽は作為的な寄せ植えを一切していないということ

ひとつの植物を育てている盆栽の鉢に、
偶然舞い込み、環境が合って芽を出し育つことのできた植物を
共に育くんでいる世界

そのハーモニーが、なんとも素敵です




中には当初のメインだった植物が絶え、
後からやってきた植物が元気に育っている鉢もあるとのこと

那須高原から旅してきた盆栽たちは
みなとても健やかそうですが

それは加藤さんが「自然のままに」と仰りながらも
日がな水やり、虫取り、枯れ葉取り…

細やかに手をかけ、目を配り、見守ってきたから



実を蒔いて育てて30年!!という
ウメモドキ・西洋カマツカの鉢もありました

なんと。。。 なんと。。。



植物の悠久に比べれば己れの小ささよ、とも思いかけますが
育むひとの日々の細やかな営みを思うと
「神は細部に宿る」という言葉を思い出したりもします


大きい小さいではナイですね
年数の多さ少なさで計るべきものもない

目の前の今を、と

思い至るのでした




15日(日)の最終日は17時までです
どうぞお出かけください



小沼さんの鉢に育つ加藤さんの盆栽は
発売中の『住む。』秋号 にも
掲載されています
写真撮影はSHOZOの菊池さんとのこと