2017年5月19日金曜日

山、動くとき

不動産、とはよく言ったもので
動かしたくてもおいそれとは動かないのが不動産

それが動く、というのは大変なことで、
その時には少なからぬ騒動が起こるものなのでしょうか




実家には長年懸案の不動産がありました

父の存命中にカタをつけなければ
もっとややこしくなってしまう土地でした

かなり前に遠縁の関係者約1名との間で交渉がこじれて以来
この件に手をつけようとしなくなっていた父に代わって
昨年とうとう母が奔走することになり

父闘病中、という事情も後押ししてか
母の奮闘実って事態はどうにか進展

ようやく家族の一存のみで動かせる条件が整い
それを聞き届けた父は
相当安心したのではないかと思います




だからといって、ひょい、とは動かないのが不動産

ただ本家を継いだという流れで、
今や使うでなく、価値があるでない財産に
長年にわたって税金を払い続け、始末の労を担うひとと
定められた権利を主張し、ただ貰うだけのひととを分けた不動産

(ちなみに父の兄弟の親族間では揉める事なく、
(両親が祖父母や家のためにしてきたことに敬意が払われたのは
(本当にありがたく幸いなことでした


その父が旅立ってから半年
にわかにもたらされた、
山(というのは喩えであって実際は平地だけれども)が
動きそうだという知らせ




売れたとしても既に大きくマイナスだけど
(建屋の解体費、相続分与の持ち出し分、これまでの税金…
活用する予定がない以上は一刻も早く手放したい土地

今後の税金や町内費(消雪費だの街灯費だの…
(使わない土地を持つって本当に大変
の負担が一切なくなることを思えば

売値が路線価よりだいぶ安かろうとも、買い手がついて、
未来を生きるひとに活用してもらえるのはありがたいこと




けれど残念ながら、これは単なる喜ばしい話ではなく
新たなモンダイを伴うものでした

不動産屋に託した土地と併せて
現在使っている車庫兼家屋のある土地もセットで買いたいというのです

(これはまだ多方面で問題が動いていて決着していません


仮に車庫兼(物置となっている)家屋
を手放すとなると、その代替地を現住居に用意しなければなりません

少なくとも庭の半分を潰してカーポートを新設する必要があり…
にわかにエクステリア工事の相談・見積もりをしたところ…

場合によっては旧車庫の解体費を含めると
土地の売り値を上回りかねない(!)

しかも少なからぬ(父の)樹を
切らなくてはならない(!)


そんなハナシってあるでしょうか。。。




母と兄の意向を中心に、
私もにわかに交渉事に駆り出されたり

いずれにせよこの際、古いものを一気に片づけてしまおう、
と腰を上げた母の手伝いで、にわかに大騒動 


家、ひとつ畳むのがいかに大変なことかを
実感する日々です


まだまだこれからも母と兄が元気に暮らして
親戚や私たち夫婦が集える家であってほしいし
家族が増える可能性も無いわけではないけれど

総体的には畳む方向で進めていかなくてはなりません

継いでくれる存在がいない以上は
片づけていくのはこの家で育ててもらった私と兄の務め

歳の順でいけば
本当の最後は私のシゴトとなるのでしょう


母健在のうちに、思い出話なども聞きながら
(やっつけ仕事でまとめてエイやぁ、というのでなく
ひとつひとつ愛おしみながら始末をつけていく作業のできることは
むしろありがたいことだと

埃まみれになりながらも感謝する春の日でもあります




私たち以上に、母にとってはより一層
思い出のある品を手放し、
さみしさも伴う分、

肩の荷を下ろした解放感や、
新しい愉しみ事も生まれるように
努めなくてはと思います